【プロが手ほどき】
気軽に楽しむ 家飲みワイン
いつもの食卓がパッと華やいだ雰囲気になるワイン。おしゃれに楽しんでみたいけれど、ちょっと難しそう…。
そんな風に身構えてしまう人も、安心してワインの世界に飛び込めるように、マリエール今治のソムリエがやさしく手ほどきをします。
知れば知るほどワインのとりこに?!
㈳日本ソムリエ協会 認定ソムリエ/伊藤 雅史・㈳日本ソムリエ協会 認定ソムリエ/井出 光亮
ソムリエとは...
胸に輝くソムリエバッジは認められた者の証
ワインを始め、ワイン以外のアルコール飲料も含む飲食全般の専門知識・テイスティング能力を持つプロフェッショナル。商品の提供、適切な紹介、食事環境の維持など幅広い役割を担うに値する者に与えられる呼称資格。
ボトルの形には理由がある
ワインのボトルには色々な形があります。例えば国や地域によって、それぞれ形が異なる場合もあります。そしてブドウの品種もボトルの形を決める要素の一つです。
例えば型の張った「いかり肩」スタイルのボトルは、カベルネ・ソーヴィニヨンなど澱(おり)がたまりやすい品種のブドウからできたワインによく使われます。グラスに注ぐ際に肩のところで澱が止まりグラスに入るのを防いでくれるためです。
澱が出づらいピノ・ノワールなどから作られたワインはそういった心配がないので、「なで肩」のボトルが使われます。
他にもスパークリングワインのボトルはどっしり重くて厚く、内側からの圧力に耐えられるようになっています。
ボトルの形も気にしてみると面白いですよ。
ワインの保管は寝かせて?立てて?
ワインボトルが横にして置かれているのを見たことがあるのではないでしょうか。長期熟成させるワインなどは、コルクの乾燥を防ぐために寝かせた状態で保管します。コルクが乾燥により収縮し、過度に空気が入ってワインが酸化するのを防ぐためです。買ってきてすぐに家で飲む場合やスクリューキャップのボトルなどは、立てた状態で置いて大丈夫です。ただし、直射日光が当たらず、振動や激しい温度差の起きない場所で保管しましょう。
寝かせたままで…
ワインを入れた細長いカゴのようなものは「パニエ」といいます。澱が舞い上がらないように、寝かせたボトルを立てないで扱うための道具です。グラスに注ぐ時もパニエに入れたまま注ぎます。
開けたら飲み切ろう
ワインは栓を開けると酸化が始まります。飲み残したワインを保管する場合に、ボトルの中の空気を抜いて真空状態にする道具もありますが、最善は、やはり飲み切ること。少しだけ飲みたいときはハーフボトル、大勢で飲むならフルボトルなど、できるだけ飲み切ることを考えて用意すると良いですね。
スマートなグラスの扱い方
ワイングラスにもたくさんの種類があります。
赤ワインのグラスは白ワインより少し大きく、飲み口も広くなっています。これは赤ワインの方が香りが立ちやすいためです。空気に触れる面積を大きくして、香りを立たせます。同じ赤ワインでも、より香り高いピノ・ノワールなどのブドウ品種のワインは、さらに多く空気に触れるように横に大きく膨らんだグラスが使われます。
大きなグラスを用意できなくても、グラスを少し回してワインを空気に触れさせると香りがふわっと立ちますよ。
ワイングラス3つのマナー
○手の温度をワインに伝えないように、グラスの足の部分を持ちます。
○注いでもらう時は、グラスを手に持たずテーブルに置いたままで。
○乾杯の時はグラス同士をカチンと合わせないで、持ち上げるだけにしましょう。
プロの道具を拝見!
憧れのソムリエナイフ。プロが使う数万円の高価なものもありますが、安価なものも色々売られています。使いこなせばホームパーティーなどで注目の的に?!
美味しく食べて、美味しく飲もう
肉には赤ワイン、魚には白ワイン。食べ物の色と合わせるともいわれる定番の組み合わせですが、他にどんな料理とワインを合わせるか迷ったら、料理と同じ国のワインを選んでみると良いですよ。イタリア料理ならイタリアワイン、フランス料理ならフランスワイン、和食なら日本で作られたワインを選ぶと、とてもよく合います。
最近はスーパーやコンビニにもたくさんワインが置かれていて、美味しいワインが手軽に手に入ります。千円前後くらいの手頃なものから色々試してみて、自分が好きな味を見つけてみてください。