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リーダーと語る

今治市長
徳永 繁樹 氏

どこにいても今治市民。心を寄せるみんなの故郷

 

徳永繁樹氏プロフィール
愛媛県今治市出身。
昭和44年11月10日生まれ。
今治西高等学校卒業、京都産業大学卒業。
好きな言葉は「陰涼」(涼やかな木陰を与えてくれる大樹の意)。

令和7(2025)年2月に再選を果たし2期目に入った徳永繁樹市長。
4年前に漕ぎ出した「今治市」という名の船を、もっと先へ、もっと広い海原へと走らせるべく、舵をとる手にもさらにグッと力が込められたようです。楽しく笑い合える友であり、刺激を受ける頼もしい存在でもある徳永氏に、たっぷりお話を伺いました。

  • 青野

    2期目に入っていかがですか?改めてお気持ちをお聞かせください。
  • 徳永

    「今治市のために」という思いでずっとやってきて、それは今も変わりません。
    すべての方に新しい風をしっかりお届けしたいと考え続けて、やっぱり「市民が真ん中」という理念に行き着きました。
  • 青野

    前期から揺らぐことのない理念ですね。
  • 徳永

    そうですね。「市民」と一口に言っても、小さいお子さんもいれば高齢の方も、市外県外、外国からの方もいます。
    現在今治市に住む方だけでなく、進学や就職で外へ出た方も、みんな今治市民です。
    他にも、どこかで何かの形で今治市に関わってくださるすべての方が今治市民だと思っています。
    ものすごく幅の広い市民の定義です。
  • 青野

    すばらしいと思います。
    実際、多くの若者が卒業後に今治市を離れ、人口は減少しています。
    でも、仮にそのまま帰ってこなくても、やっぱり今治市に誇りを持って、市民として今治のために何かしたいと思ってほしいですね。
    例えば家族なら、離れても肉親としてつながりは続きます。
    同じように「今治市」とも、ずっとつながっていてほしいです。
    そして今治市のことをどんどん外に発信してもらいたいですね。
  • 徳永

    そうなってほしいですね。
    今治市にはさまざまな地場産品があり、ふるさと納税の人気も高く、市ではそれらのマーケティングを行う「株式会社今治あきない商社」を設立しました。
    利用者層などデータを徹底的に分析して政策を練り、さらに全国の皆さんに直接会いにも行っています。
    会話がきっかけで、「あなたが住む今治市に行ってみたい」と言ってくれた方もいました。
    これからは都会と地方の二拠点生活やセカンドライフの住み替えなども増えるでしょう。
    心を整えるもう一つの場所として今治市を選んでもらえるように、「みんなの故郷」になれるように働きかけていきたいです。
今治を知る・学ぶ・楽しむ 魅力を内外へ広く発信
  • 青野

    今年1月、今治市は合併20周年を迎えました。
    旧今治市と11の町村が合併して現在の今治市になりましたが、住んでいる我々も、きっとまだ各地域の「すごいこと」を知り尽くしてはいないのではないでしょうか。
  • 徳永

    海があるのに泳いだことがない、山があるのにトレッキングの経験がないという子もいるようです。
  • 青野

    僕らが子どもの頃は海・山・川が遊び場でしたからね。
    その経験から「すごいな、ここ」と実感できますが、今の子にその機会が減っているのはもったいないですね。
  • 徳永

    「今治を知る・学ぶ・楽しむ」ということをしっかり教えたいですね。
  • 青野

    小さい時に故郷の良さを知ることはとても大事だと思います。
  • 徳永

    僕も改めて気付いたのですが、今治市の12の地域にそれぞれの魅力があり、12の地域が一つになったことで、12の魅力が集まったのです。その魅力をちゃんとお届けしたいです。
    その中で、何か心にとまるものがあった人が、足を運んだり、何かを買ってくれたりすれば嬉しいです。
  • 青野

    それで今治を大好きになった人が、また誰かに今治を紹介して、そうしてどんどん広がれば、例えば経済効果など、プラスの何かがきっと生まれます。
    紹介してくれた人に特典のようなものを提供できないでしょうか?
  • 徳永

    特典ではありませんが、近い視点では「IMABARIST(イマバリスト)」制度(*1)があります。
    今治を愛する今治ファンの総称で、会員登録を受け付けていて、さらに例えばふるさと納税をしてくださればコア層として「IMABALINA(イマバリーナ)」と称させていただいています。
    メールマガジンをお送りしたり、イベント情報をいち早くお知らせしたりして、特別な機会も逃さないでいただけるようにしています。
  • 青野

    ファン層が広がるように、発信するコンテンツも工夫したいですね。
    「今治市」と銘打っていなくても、いいコンテンツだからと興味を持ってもらえて、それが実は今治市のものだったとわかれば一つの価値になるし、おもしろいのではないでしょうか。
  • 徳永

    近年評判になった動画(*2)などもありますし、また色々な分野に挑戦したいです。
「3つのクツ」から解き放ち進化した今治を子どもたちへ
  • 青野

    先ほど少し話が出ましたが、子どもたちのために考えていることはありますか?
  • 徳永

    一例を挙げれば、子どもたちの居場所作りがあります。
    「自習する場所がないから」と図書館に生徒が大勢集まっていたり、両親が働いていて下校後は家で一人きりという小さな子もいたりします。なんとかしてあげたいですね。
  • 青野

    当社で今年始めたP・SPOマリエール今治店でも、同じことを感じています。
    学習エリアがいつもいっぱいなんです。
    正直驚きました。
    もっと利用できるように、オープンライブラリーを増設予定です。また小学生が対象の「あいリンクスポーツクラブ」も大人気で、定員オーバーで入会をお断りしなければならないほどです。
    元気に駆け回る姿を見ていると、子どもに場所や機会を作る意義を痛感します。
  • 徳永

    そういった民間の皆さんの取組が本当にありがたいです。
    僕らもうまく連携したいです。
    人のために何かをするのは、自分の心を豊かにすることですね。
  • 青野

    その通りですね。
    当社では他にも、学童クラブのための場所の提供にも協力しています。
    自分なりに考えて、足りないところもたくさんありますが、今後もできることを増やしたいです。
  • 徳永

    僕は「3つのクツ」から市民を解き放ちたいと考えています。
    1つは「退屈(たいくつ)」。
    今治には何もなくてつまらないなんて、思ってほしくありません。
    次に「卑屈(ひくつ)」。
    よそと比較して今治に無いものを嘆くような思考をなくしたいです。
    最後に「窮屈(きゅうくつ)」。
    発言力や権力を持つ人が、誰かの夢を「許さない」と抑えつけて、可能性の芽を摘むようなことがあってはならないと考えています。
    この「退屈・卑屈・窮屈」からの解放です。
  • 青野

    無い物ねだりだけでは何も生まれませんからね。
  • 徳永

    今治はすごくいいところです。
    だからもっと今治で楽しめるように、色々企画したり、外から呼んできたりもしています。
    今治でもたくさんのことが叶えられると知ってほしいし、喜んでほしい、可能性は伸ばしてあげたい。
    そのためにこれからも挑戦を続けます。
今治が進むべき道は市民が決める「脱・衰退」を旗印に、未来へ
  • 青野

    10年先の今治市はどうなるでしょうか。
  • 徳永

    「市民が真ん中」でできる町は、市民の皆さんが思う町です。
    市長が夢を描くのではなく、市役所が先導するのでもない。
    皆さんがどんな町にしたいと思うのか。
    それがすべてです。それをお聞きして、できることを考えるのが僕らの仕事です。
    自分にできることは何だろうと、市民全員が考えるようになれば、僕が目指す今治市の未来像に近づくと思います。
    僕自身の今期4年間が、今治市の未来を決定づけるのかもしれません。
    次のステージに進むために、大切なのは、皆さんを巻き込んでいくことだと思います。
  • 青野

    もっと多くの人を巻き込むために、どうアプローチしていきますか?
  • 徳永

    危機感や問題点をみんなで顕在化して、一つの方向を目指していきます。
    もしも賛同していただけない人がいても、しっかり説明をして、わかっていただく努力を続けます。
    結果や効果がわかるのはずっと後、もしかしたら僕らがこの世を去った後かもしれません。
    それでも「あの時があるから今がある」と思ってもらえる10年にします。
    今治市が衰退の一途をたどらないように。
    衰退した故郷を子どもたちに渡すわけにはいきませんから。
    「脱・衰退」の旗を掲げて、みんなを巻き込みながら、挑戦していきます。
  • 青野

    やっぱりこうして話していると、すごく夢があるし、力をもらえます。僕も色々挑戦していきます。