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リーダーと語る

株式会社アリスタ・木曽
野間 照博 氏
野間 真美 氏

お菓子に乗せて運ぶ幸せ 自らの手で作る喜び

 
「アリスタ・木曽」はお菓子の卸売業の会社です。メーカーと販売店、そしてお菓子を食べる私たちとの架け橋となり、また近年はワインの輸入卸や製菓といった新しい道にも歩を進め、私たちを美味と幸せの世界へ導いてくださっています。それぞれの得意分野を活かし活躍の場を広げるご夫妻と、ワインやあの銘菓復活の話など大いに語り合いました。
  • 青野

    お菓子の卸売業というと、一般の方に直接販売するのではなく、私たちが店頭でお菓子を買うことができるように流通させるお仕事ですね。
  • 照博

    メーカーから仕入れたお菓子をスーパーやドラッグストアなどに卸しています。大手メーカーはもちろんのこと、全国のあらゆるメーカーのお菓子を扱い、海外のものもあります。社員はみんなお菓子好きばかり。「お菓子と一緒に幸せを運びます」という企業理念のもと、皆さんに喜んでいただけるように頑張っています。
  • 青野

    今年はお菓子を作る仕事も始められましたね。昨年惜しまれつつ閉店した今治の「くろふね菓舗」の銘菓「ラムリン」を再発売してくださったのは、とても嬉しいニュースでした。
  • 真美

    今治でも知る人ぞ知る、という存在のお菓子だと思っていましたが、想像以上の反響で驚きました。
  • 青野

    ものすごく熱心なファンがいて、実は私もその一人。くろふねさんが閉店すると知った時は、もう食べられなくなるのかと残念でたまらなくて、私が引き継ぎたいと思ったくらいです。
  • 照博

    何年も前から作り方を教わっていたのですが、急に閉店が決まり、それから試作を重ねて、これなら皆さんに認めていただけると思うものになるまで時間がかかりました。材料にもこだわって手作りしないと、あのラムリンはできないんです。レシピ通りに作っても何か違うようで、「昔はもっとラム酒がガツンと効いていた」などとご意見もいただきました。
  • 青野

    とてもインパクトがあるお菓子ですよね。形式的になりそうな手土産でも、ラムリンなら喜んでもらえるに違いないと自信が持てます。味もパッケージも、強く相手に印象付けられます。
  • 照博

    こういうお菓子は全国でも珍しいようですね。県外の方に差し上げると、普段は特にリアクションのない方からも「おいしいね」と電話がかかってきたりします。
  • 真美

    あの味が忘れられなくて、カステラとラム酒で自分で作ってみたという方もいました。「でもできないんだよね」って(笑)。
  • 照博

    お菓子は人生を幸せにするものだと思います。小さな幸せかもしれませんが、大切な思い出にもなります。そんな幸せを、運ぶだけでなく、作ることもできたらと始めたのが今回のラムリンでした。木曽商店から始まり今年で創業74年になる当社で、製菓は初めてのチャレンジです。
  • 青野

    とても大きな変化ですね。これからどんどん可能性が広がりそうですね。
出会いとチャンスで開く新しい道への扉
  • 青野

    新しいチャレンジといえば、ワインの輸入卸も始められましたね。
  • 真美

    平成31年から南アフリカワインの「アスリナ」を輸入販売しています。南アフリカ初の黒人女性醸造家ヌツィキ・ビエラさんが立ち上げたブランドです。私のワイン愛は20年以上で、ソムリエ資格も取得しましたが、家業を継いだので仕事にすることができなかったんです。ところが偶然の出会いやチャンスがいくつも重なって、アスリナとつながりを作ることができました。
  • 青野

    素晴らしいタイミングを掴んだのですね。南アフリカからのワインは、今は作り手も管理もしっかりしていて、さまざまな高品質のワインが手に入るようになりました。アスリナも、とても良いワインですね。
  • 真美

    何カ国ものワインを飲んで、最終的に私が好きなのは南アフリカのワインだと確信した1ヶ月後、偶然愛媛新聞の記事でアスリナに出会いました。これを逃したら後悔すると思って必死で進みました。南アフリカの物価などの関係もあり3~4千円の価格帯となっておりますが、同質の他国産ワインなら2、3倍の値が付くのではとおっしゃって下さるソムリエの方もいます。
  • 青野

    美味しいワインがあれば、次はそれを、どのようにお客様の手に取っていただくかを考えないといけません。どんな機会に、どんな体験の中で味わっていただくか。それら全体を含めたブランディングが大切になってきます。
  • 照博

    本当にそうですね。良いものを、その質に見合った環境で提供できればと思います。先ほどのラムリンにしても、全国どこにでもあるのではなく、今治に来たからこそ食べられる。そんな良さや価値観も楽しんでいただけるようにしたいですね。
幸せの余韻が長く続く素晴らしい時間と体験を
  • 青野

    当社では「しまなみワイン倶楽部」というワイン会を開催しています。みんなで食事とワインをじっくり楽しもうという会です。そこでアスリナワイン尽くしのワイン会を企画しましょう。
  • 真美

    ステキですね。肩の力を抜いて楽しめる会にしたいです。私自身も、アスリナワインの造り手も、最初はワインの知識なんてありませんでした。だから同じような人たちが、アスリナでワインに目覚めてくれるといいなと思います。ブドウの品種を知らなくても、「白って美味しいね」「赤も味わい深いね」と気軽に楽しんでもらえれば。それが南アフリカらしさでもあるんじゃないかな。
  • 照博

    誰かと一緒に楽しんだり、ワインの知識が増えたりすると、またさらに楽しくなりそうですね。
  • 青野

    私のワインの入り口はソムリエ資格のための勉強で、最初はそれほど興味が湧きませんでした。でも勉強するうちに、世界旅行している気分になったり、歴史を知ることができたり、ワインを通して多彩な楽しみを見つけられました。皆さんにもワインの色々な面を知ってもらって、ワインっていいなと思ってもらいたいです。
  • 真美

    私はワイン会から帰った後の余韻が好きです。「ああ楽しかったな」と思い出して、翌日も幸せの余韻に浸ることができるのがいいな、と思っています。
  • 照博

    私たちがお届けするワインで、皆さんに幸せを感じていただきたいですね。ワインもお菓子もそうですが、皆さんに喜びや幸せをお届けできる仕事をしていきたいです。
  • 青野

    皆さんが過ごす時間が幸せの余韻となって残るように、私たちも頑張ります。