リーダーと語る
株式会社ハラプレックス
原 竜也 氏
アイデアを形にできる場所 個人で一個から制作可能

「ハラプレックス」の歴史は明治時代に始まりました。創業から今日まで、印刷を取り巻く環境は変化し続けています。時代に応じて進化しつつ、変わらないのはモノづくりへの情熱です。そして次なる進化へと開かれた扉が、今回訪れた「HARAPLEX Labo(ハラプレックスラボ)」です。実際に見て、触れて、広がる印刷の可能性などを語り合いました。
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明るくて緑もあって、とてもきれいな場所ですね。展示品も紙の印刷物だけではなく、さまざまな素材や形のものがあります。2023年1月にオープンされたこの「ハラプレックスラボ」は、どんなことができる施設ですか?
青野
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作りたいものを形にできる場所です。ここに来ていただければ、ノベルティや記念品などのサンプルをその場で作ることができます。ガラスやアクリル、立体物にもプリントできる印刷機がありますし、デザイナーも常駐していますので、「こんなものを作りたいな」「これはできるかな」とイメージしているだけのことでも、私たちにご相談いただければ形にするお手伝いをいたします。
原
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個人でも利用できるのですか? 制作数は少数でも良いのでしょうか。
青野
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1個からお受けできますので、個人のお客様もご利用いただけます。自分だけのオリジナル品を気軽に作ることができますよ。
原
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いいですね。通りかかった時にフラッと立ち寄ってみるのも良いかもしれません。例えば高校生が友達や部活の仲間と何か作るというのも楽しそうです。気軽にモノづくりに挑戦できますし、印刷でこういうことができるのだなと、たくさんの方に知ってもらえるきっかけにもなります。
青野
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皆さんと一緒に、色々なモノづくり・コトづくりをしていきたいという思いから生まれた場所です。ワークショップなども開催していますので、もっと気軽に誰にでも入って来ていただけるような雰囲気づくりをしていきたいです。
原
お客様と一緒に始める モノづくり・コトづくり
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コロナ禍の影響も含めて、最近の印刷業界の動向に変化はありますか?
青野
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やはり縮小傾向です。デジタル化で紙媒体が減る中、コロナ禍で拍車がかかりました。人が集まるイベントの開催が難しくなり、イベントが減ると販促の印刷物も減ります。オンライン会議の増加でも印刷物が減り、人や物の動きが止まると包装資材などの需要も減ります。大打撃でした。やっとコロナは落ち着きをみせていますが、色々なことが完全に元に戻るのは簡単ではないでしょう。そこで、今までとは違ったことにも取り組もうと作ったのが、この「ハラプレックスラボ」です。
原
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ここから新しいことが始まるのですね。
青野
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私たちの仕事は、お客様からご依頼いただいたものを作ることです。印刷物やパッケージ、WEBなど販促手段のほぼ全般を手がけていますが、作ったものはすべてお客様の商品で、私たちの商品ではありません。そこで私たちも、お客様と一緒に新しい商品を生み出すことができればと考えたのです。企業だけでなく、今は個人でもネットで商品販売ができる時代です。ある人が売りたいものを持っていて、私たちにはパッケージを作る技術や販促のノウハウがある。両者がコラボすれば、新しい商品をより良い状態で世の中に送り出すことができます。それを実行する場所が、このラボです。モノづくりをする人が集まり、知恵も集まるところにしたいと思っています。
原
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素晴らしいですね。色々なアイデアを展開できそうです。
青野
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例えば、私たちがデザインし制作した日本酒のボトルとある酒造会社さんのお酒で、コラボ商品を作ったこともありました。このように、「モノ」ができればパッケージができ、販促の印刷物もできて商品販売という「コト」が生まれます。一緒に「モノづくり・コトづくり」が始められます。
原
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これから何が始まるか楽しみです。ガラスのボトルへの印刷もできるのですね。結婚式で新郎新婦の思いを印刷したボトルを作ると喜んでいただけそうです。
青野
技術、ノウハウ、アイデア このラボだからできること
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他にも紙筒やステンレスボトル、カップスリーブなど、色々作れますよ。
原
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私たちのお客様にご提案できそうなものがたくさんあります。名入れをすれば冠婚葬祭のさまざまなシーンで個性ある使い方ができますし、アクリルフォトやキャンバスアートは思い出や記念を形で残すのにぴったりです。デザイナーさんとも相談しながら、プロの知恵と技術をお借りして作ることができるのですね。
青野
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その通りです。細かいところまで全部決まっていなくても、アイデアの相談段階から来ていただければ、プロとしてのご提案やサポートをいたします。また、家庭用のプリンターをお持ちの方も多いと思いますが、ここではもっと多彩な印刷が可能です。金、銀、白など特殊な色のインクも使えますし、大きな紙や紙以外の素材、立体への印刷もできます。アイデアの幅もぐんと広がると思いますよ。
原
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このラボがあって、色々な製品が置かれていて、実際に見て触れて、説明もしていただけるからこそ、新しいアイデアが次々に思い浮かびます。とても有意義な場所ですね。
青野
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ぜひ多くの方に足を運んでいただきたいです。たくさんの商品をプロデュースして、ここにずらりと並べたいです。
原
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新しいものがここからどんどん生まれることを期待しています。
青野
せとうちみなとマルシェを語る 瀬戸内の「うまい!」に 出会う海辺のマルシェ
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ハラプレックスの原社長には、実はもう一つの顔があります。今治の新名物イベント「せとうちみなとマルシェ」の運営委員長です。
青野
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毎回大盛況の「せとうちみなとマルシェ」です。キッチンカーや新鮮な農水産物の販売、雑貨もあればパフォーマンスなど催し物もあります。瀬戸内の美味しいものや名産品が大集合していますね。
青野
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昨年11月にスタートして、毎月2回の開催に1万人から1万5千人くらいの来場があります。出店登録も400店舗を超えていて、その中から約100店舗を毎回入れ替えながら出店しています。来るたびに様変わりするので、毎回飽きることがありません。
原
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季節ごとに趣を変える工夫もされているそうですね。
青野
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夏は海辺で夕涼みを、というコンセプトで、夕方からの開催です。土曜は商店街の土曜夜市もありますので、お子様も大人も今治の夜を楽しめますよ。飲食を中心にして、大人の方はお酒も一緒にグルメを味わいながら、ゆったりと過ごしていただきたいです。夏以外の日中開催の季節は、新鮮な農産物や鮮魚の販売も人気です。買った魚をマルシェキッチンで下処理してもらえば新鮮なまま持ち帰れます。
原
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海の近くなので、そぞろ歩きにもいいですね。地域の生活に根付いて、開催日には「マルシェに行こう」とみんなが思うようなスタンダードになるといいですね。
青野
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毎月2回、今治港周辺で開催しています!
原
せとうちみなとマルシェ
6月2回目・7月・8月は第2・第4土曜 16:00〜20:00
それ以外の通常月は毎月第2・第4日曜 9:00〜14:00
※詳細は公式サイトでご確認ください。 https://setouchi-mm.com